軽量鉄骨(LGS)壁との違いは?

ここでは、空間を仕切る際に比較検討されがちな製品である、間仕切とLGS壁の違いについて取り上げます。両者の構造や材料に違いはあるのか、設置方法や撤去に関する注意点はあるのかを具体的にまとめています。

目次

間仕切とLGS壁の基本的な定義と特徴

造作壁は部屋を仕切る際に使われる壁のことで、中でもLGS壁は金属製の下地が使用されています。薄板軽量形鋼・軽量鉄骨を建てたあとに石膏ボードを貼付けて、上からクロスを貼ります。間仕切と異なり、クロスを貼ることで建築壁のような仕上がりになるのが特徴です。ただし、強固につくる分施工期間が長くなり、解体する際には費用も手間もかかります。

一方で間仕切は支柱をたててパネルを挟む方法で施工するので、施工期間を短縮できます。また、組み換えができる製品が多く、移設ができるため、LGS壁とは異なり再利用することが可能です。

構造と材料の違い

LGS壁は、薄板軽量形鋼や軽量鉄骨、総称して軽鉄と呼ばれる内装工事に用いられる金属で骨組みを作ります。石膏ボードで骨組みを挟み込みますが、その際にロックウールを充填して遮音性能を高めることができます。また、軽鉄や石膏ボードを使用しているので耐火性・耐久性に優れており、恒久的にレイアウトを変えたいときに便利です。

一方で間仕切は、支柱の間にパネルを挟み込む、あるいは支柱をパネルで挟み込んで設置します。支柱にはアルミやスチール、パネルにはポリカーボネートやフラッシュ合板、石膏ボードやガラスなどの材料が用いられています。材料によって遮音性や耐久性を高めることはできますが、強固なつくりのLGS壁と比べると遮音性や強度は劣るので注意が必要です。

設置と撤去の違い:プロセスと手順

LGS壁は軽鉄で骨組みをつくります。天井と床にランナーと呼ばれるレールを取り付けた後、スタッドと呼ばれる柱をランナーに差し込んで垂直にたてます。スタッドは壁の高さにあわせて切断。補強のためのスペーサと、揺れを防ぐための振れ止め材を取り付けます。その後、開口部に補強材をつけて設置します。場所にあわせて加工し設置するので基本的に再利用ができません

一方で、間仕切はレール・支柱・パネルをカットして、レールを取り付け支柱とパネルを建て込むと完成です。間仕切の端部はサイズがちょうどよく合わなければカットするしかありませんが、移設先の天井が高いなど極端なケースでなければほぼ部材を使用できます

耐久性とメンテナンスの観点から見ると?

LGS壁は軽鉄でしっかりと骨組みをつくり、さらに石膏ボードで挟むので強度があります。耐久性が高く、腐食や劣化が起こりにくいためメンテナンスが容易です。

一方で間仕切は移動できるものもあり、建付け調整が必要となります。一般的な耐用年数はLGS壁で19年、建物扱いの間仕切は15年となっています。長く使うことを考えるなら、LGS壁に軍配が上がるでしょう。ただし、オフィスの移転など将来的に移設する可能性があるなら、組み換えができる間仕切を選ぶのもひとつの手です。

まとめ

間仕切とLGS壁にはそれぞれメリット・デメリットがあり、移設する予定があるなら間仕切、耐久性を求めるならLGS壁が向いているでしょう。構造や材料にも違いがあり、軽鉄で組み上げるLGS壁の方が強固なつくりとなっています。

ただし、LGS壁は基本的に再利用できないので、移設できる間仕切の方がコストを抑えられます。両者の強みを比較したうえで、条件に合致する方を取り入れてみましょう。

間仕切メーカーはどう選ぶ?

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【特徴別】
おすすめの法人向け
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